安心できる社会への変化こそ大切
1人の女性が一生のうちに産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」が1990年に1.57となってマスコミを騒がせて以来、長く論議されてきているはずなのに、少子化傾向は一向に衰えず、昨年は1.38と過去最低を更新した。
少子化の背景として考えられるのは「女性の高学歴化・社会進出・晩婚化・個人主義の高まり」など。さらに「家庭と仕事を両立できない社会構造」「夫の育児への関心の薄さ」「教育費の問題」などが絡んでるとされている。
県は少子化対策として、子育てと仕事が両立できるよう、保育事業の整備に力を入れ始めた。川北町は先日、第1子の不妊治療費の7割を年間70万円を上限に助成する事を、全国で初めて決めた。高額の治療費を払い、つらい治療に絶えている夫婦には朗報だ。
もちろん、国や市町村からのさらなる子育て支援整備を期待するし、経済的援助も受けられればありがたい。実際に児童手当が拡充されようとしている。だが、それだけでは決して問題の解決にはならないと思う。今の社会の構造事態の変化が必要だ。
例えば、「育児休養制度の見なおし」「労働時間の短縮」「企業内への託児所の設置」など、家庭と仕事の両立を求める女性たちが気兼ねなく働くことができる社会。また、「受験戦争」「いじめ」「虐待」など、子どもを持つ事に失望してしまうような悲しいニュースのない社会。女性が本当に安心して子どもを持つことができる社会にすることが大切なのではと思う。