4. チャイルドシート義務化

負担増いろいろ…親の声も聞いて

子連れにとって優しい街であるかどうか、判断は人それぞれだ。雑誌「子育て向上委員会」の取材の中で、プールの無料開放など遊び場の充実、デパートなど民間施設も含めた託児サービス等の面では、金沢は「優しい街」と知った。 ただ、今春から義務化される「チャイルドシート」についてはどうだろう。以前、雑誌で特集を組んだ事もあるが、小さな子どもを持つ親にとって、今一番関心がある問題だ。

取材の過程でも「シートの上で泣きわめく子どもをあやしながらの運転は大変」、「レンタカーを借りるときや帰省時はどうしたらいいの」、「友達の車に抱っこして同乗する事もできない」と、いろいろな問題点が出てきた。しかし、それにもまして私たち親を悩ませるのは経済的な負担だ。シート着用が義務化されるのは6歳児未満。成長に合わせ2-3段階での買い替えが必要となる。使用期間の短い乳幼児も1-2万円、幼児用は2万以上だ。

福岡県筑紫野市では今年1月から一律5千円を助成してくれる.石川県内でも、鹿島町では昨年10月から上限1万円を補助。志雄町では購入世帯に対し15000円を上限に購入金額の3分の1を補助。また、零歳児用シートの6カ月レンタルや不要シートのリサイクルの斡旋など、うらやましい話もちらほらと聞こえてくる。

では、金沢はどうか。問い合わせてみたが、検討の末、「予定なし」とのことだった。特集の中でも「義務化するなら、経済的な援助やレンタル制度の充実を」の声は強かった。子どもの安全を守る法律であったとしても、経済的負担を考えれば、少子化対策に逆行しているともいえる。国にしろ県や市町村にしろ、何かを決めるときには、もう少し、子育て真っ最中の私たちの声、聞いてもらえないかなあ。