父親へ、企業へ、地域のみなさんへ
子育て向上委員会からのリポートも今回で最後。金沢市を中心に書いてきたが、参考になっただろうか。
同市以外では、例えば小松、加賀両市などでもサークルの活動が積極的に行なわれている。七尾市では母親達の経歴に注目し、順番に講師となって勉強会を開くと言う事が始まっている。子育てが難しくなっている中、こうした動きがどんどん広まり、大きくなっているのは、すばらしい事だ。
親の皆さんへ―。
保守的な土地柄のせいか、「育児は母親の仕事」という認識のままの人が多いのでは。しかし、今ほど父親としての役割が必要とされているときはないと思う。夫婦間でコミュニケーションをよくとり、協力して子どもを育てよう。母親一人に負担を背負わせるのは、負担があまりにも重すぎる。
企業へ―。
父親不在の夕食風景が日本では当たり前になりつつ今、たまには早めにお父さんを家庭に返してほしい。いくら父親への育児参加を促しても、あるいはみずから育児をしたくても、企業の体質が変わらない限り無理なのだから。そして女性にとっても、仕事と育児が両立できるものになるよう、企業としての一層の努力をお願いしたい。
地域の皆さんへ―。
子どもたちの世界へどんどん入ってきてもらいたい。「愛情」の反対は「憎しみ」ではなく「無関心」なんだそう。今の時代、みんな忙しそうで、地域の子どもに関心がない人が多いような気がする。本来、子どもはたくさんの人に愛され、教えられ、しかられながら育つべきである。皆さんが上の世代からしてもらったように、今の子ども達にもそのチャンスを与えてほしい。
母親、父親、おじいちゃん、おばあちゃん、地域、企業、みんなが知恵を出し合い、協力し合うことで、子育てが楽しいと思える世の中、子どもが夢を持てる世の中が実現するはずだ。